2009年2月23日月曜日

責任感欠如の市長

東京都小金井市の稲葉市長は、ゴミ処理場建設場所を2月末までに選定して隣の国分寺市に報告する約束で、国分寺市及び近隣の市及び一部事務組合に年間17,000トンの可燃ゴミを焼却していただいていました。その約束が守れず、ギブアップ宣言を18日行ったわけですが、まったく責任感の無い発言をしています。
小金井市の可燃ゴミは、昭和32年から、隣接する府中市・調布市と共同で一部事務組合を組織して3市の境界に「二枚橋衛生組合」として焼却しておりました。老朽化してきたため府中・調布市は将来を考え、小金井とは一緒に行わないことを選択して、府中は、多摩衛生組合に加盟し、調布は三鷹市とパートナーになることを選択しました。
小金井に対する「不信感」からの離婚です。それを見た東京都は、小金井市単独では、膨大な費用がかかるごみ処理場建設をさせては、まずいと考え、立川と共同処理を考えていた国分寺市に、小金井との共同処理をする話を持って行き国分寺市との「お見合い」をセッティングしました。内容は、小金井市域に平成21年2月末までに小金井市がごみ処理施設の場所を選定する。(その場所の地主の了解及び近隣住民の了解を取ることが条件となってます。)その場所に建設して稼動するのは10年後とのことで、その間、国分寺市は小金井市の可燃ゴミは引き受ける。引き換えに向う20年、30年の間、その処理施設で国分寺市から出るごみを全量この処理施設で処理をするとのことです。
稲葉市長は、このように議会で説明していたようですが、国分寺市との話を詰めていくと、処理場建設までの10年間は、小金井市から出る全量を国分寺市が引き受けることにはなっておらず全量の1/3の6,000トンとのことが判明しました。あわてて、近隣市及び一部事務組合にお願いをして11,000トンの可燃ごみを処理してもらうことになりました。近隣市及び一部事務組合などは、小金井の足元を見て、処理費をつり上げて来ました。西多摩衛生組合などは、日量480トン処理可能なばかでかい処理施設をもち、燃すものがない状態でしたが小金井市の足元を見てトン当たり48,000円での処理費で契約しています。ごみ収集車は2トン、3トンの小型車ですので、小金井で収集した後、西多摩衛生組合(羽村市)までの運送でその費用も入れるとトン当たり100,000円を超えるとのことです。
また、場所の選定も市民検討委員会を設置して20年8月までに新ごみ施設検討委員会で結論を出していただきたいと審議会を設置していながら、2か月前倒しを審議会に要求して6月にこの審議会が「二枚橋衛生組合の場所」を決定しました。(この場所を審議会に検討してくれと提案したのは稲葉市長本人です。)この二枚橋衛生組合の土地は、調布・府中・小金井市で面積1/3ずつ所有しております。当然、調布・府中両市の了解がいただけなければ、この話を進めることはできないわけですが、何と、稲葉市長は2市に話をしたのは、6月の答申結果後7カ月経った今年の1月26日になってからとのことで「怒るというより笑ってしまう」どうしようもない市長です。このような、失態についても、この稲葉市長は、議会で「適時適切に対応してきた」との答弁を平気で行っているとのことです。このように「責任感」を持たないが市長として存在できるのは、やはり無関心な市民が原因と考えられます。
この稲葉市長が選ばれたのは、平成19年4月22日の選挙です。当日の投票率は46.91%です。そしてこの稲葉市長が獲得した得票率は全有権者のたった24.61%です。1/4に満たない得票で、市長となっています。実に53.09%の有権者は、投票すらしておりません。稲葉市長からすれば、何やったって、多くの市民は無関心だから問題ない。選挙に行くのは、老人クラブ、宗教団体、農協・商工団体・労組などなど。ここをしっかり挨拶しておけば票は大丈夫との考えのようで、市長の仕事はせず、そのような会合には欠かさず挨拶回りと聞く。

このようないい加減な市長の話では、4月どころか3月からゴミ処理を断る市・一部事務組合が出てくるものと思われる。処理できないゴミは収集されず、ナポリ状態になります。
ゴミが回収されず、市内のあちこちにゴミがうず高く積まれて、初めて市民の多数か「稲葉市長の無責任さ」に気がつくのです。
半数以上の有権者が選挙に行かず、その無関心さが、無責任な市政を作り上げたことになるわけです。

小金井市からこの件について相談をうけた東京都が、府中・調布両市に働きかけ、話し合いのテーブルを作っていただきましたが、この稲葉市長は、「私が市長をしているから、私の力で、東京都は動いている。」と市民に言うでしょうし、また、話がうまくいかなくなれば「東京都がやるからというので任せたら、何もできない。東京都の問題で、私の責任はない。」と言うでしょう。ゴミ問題は、基本自治体(市町村)の仕事です。
稲葉市長がこのゴミ問題を他力本願で市長就任以来10年以上、何も仕事をせず、それを容認してきた市民に問題があるので、ゴミはあふれて、小金井市中ゴミだらけになった方が、嫌がおうにも市民の市政に対して関心が起き、選挙の大切さが判るのではないかと思います。
このように、中途半端に東京都が出張ってくると、東京都に責任転嫁を平気で行う稲葉市長の人柄を知らない東京都が不評を買うことになります。東京都は気をつけていただきたいものです。
自己責任とはこのようなものです。

今回の稲葉市長が各市との約束を反故にしたことによるリスクは大きいもので、将来にわたって広域行政でのマイナスになってくるものと考えられます。隣接する市間での公共サービスの融通性を高める政策を行うとすれば、「小金井とは組みたくない!どうせ小金井市はいい加減なことをするのだから」となるのです。たとえば、双方の市民が双方の図書館を自由に使用することのできる協定を結ぶ時に、「小金井とは」となるのです。