農林水産省の調べで、「三笠フーズ」(大阪市北区)の事故米転売問題で、大手商社の住友商事、双日が国から購入した輸入米のうち、殺虫剤「アセタミプリド」などに汚染された事故米743トンが、三笠フーズに販売されていたことが判った。同省は、これらの事故米が、西酒造(鹿児島県))など酒造会社6社に販売されていたことを発表した。また、同省は三笠フーズが商社からの事故米も食用に転売していたとみて調査を始めた。三笠フーズ以外にも2社がこの「事故米」を食用に転売し、「給食」などに転用されていることが判明し、「どの沼」状態の様相を呈してきた。
当初、農水省は事故米の転売先の酒造会社5社の企業名を公表した。その企業名は、*西酒造(鹿児島県)*喜界島酒造(同)*六調子酒造(熊本県)*抜群酒造(同)*光酒造(福岡県)と鹿児島県の酒造会社に販売していた。
*喜界島酒造(鹿児島県)と*六調子酒造(熊本県)は、事故米で造った焼酎は「貯蔵中」とのこと。
問題なのは、西酒造の場合は事故米を原料として使った製品が蔵から出荷され、市中に流れ、販売されたり、消費されたりしているために回収対象は30万本というがどれだけ回収できるかをチェックしなければならない。この西酒造でOEMとしてアサヒビールが製造を委託し販売していた「芋焼酎 さつま司 25度」「同 さつま司黒麹仕込み 25度」「芋焼酎 さつま司黒壺 36度」「本格芋焼酎 かのか 25度」「芋焼酎 かのか 25度」「同 かのか 20度」「同 かのか黒麹仕込み 25度」「同 ちょこべこ 25度」「芋麦焼酎 とんぼの昼寝 25度」などのブランドは、今日になって65万本回収することになった。また、同様に福徳長酒類が同様に「さつま美人」と「黒久宝」のブランド8万本の回収をすることになった。
飲酒してしまった人の健康被害はどうなのか今後問題が起こらないことを願う。
今回の事故米の転用の原因は、農林水産省に一義的に問題がある。農水省は今まで5年間で96回の販売先チェックを行なっても解明できなかったということは、農林水産省の役人に「チェック能力」が無いということである。また、大手商社2社(住友商事・双日)も販売先のチェックがなされておらず、売らんかなの「無責任」の極みである。
三笠フーズのほか、昨日は 「浅井」(名古屋市瑞穂区)の浅井利憲社長(56)は「資金繰りが厳しく、転売はいかんと知りつつやった。申し訳ございません」。と謝罪し、 また、愛知県小坂井町にある「太田産業」の太田博之社長(56)は、「事故米は20年以上前から肥料用と工業用として買っていたが、2年ぐらい前から工業用だけになった。(肥料として売った事故米分は)3年間で1000トンぐらい。たいした量ではない」とのコメント。
今後、「お菓子」などに転用されたものが一部で始めているが、全国的な広がりが懸念される。
焼酎メーカーでは、特に鹿児島での芋焼酎はタイ米(インディカ米)が低価格でありまた、麹にするのに簡単に出来る(国内米に比べ粘りが少ないため一粒一粒に麹菌をはやすことが出来る)ので多く使われてきている。
私は外国産の米では、どのような農薬がどのくらい使われているかわからず危険と考え数年前より国産米での芋焼酎での麹米に、それも“酒米の王様”といわれる「山田錦」(品名:芋山田)とか、幻の酒米といわれる「亀の尾」(品名:芋亀)などのブランド米をまた、熊本の食米として流通している「ヒノヒカリ」(品名:大和の薫・九斗九升・)、「ユメヒカリ」(品名:芋吉)などを買い入れて、焼酎メーカーに送り込み芋焼酎を造っていただき、私の会社:株式会社大島でそれらを販売させていただいている。(㈱大島のURLは www.oosima.co.jp )
どのくらいでこの「事故米」が酒造メーカーに売られたかは定かでないが一説にK50円とも報道されている。
酒造りは、「一に麹、二に酵母、三に造り」と云われるように、麹造りが命と考える。
鳥跨ぎ(鳥もまたいでしまう)のような安い米を買う姿勢が酒メーカーにあるのではないか。また、「焼酎だから蒸留するんだから」と安い米で十分との考えもタイ米を使っている酒メーカーにあるのではないか。それは、どのような米かも考えずコスト第一主義の考えで、大量生産・大量販売を行なう酒メーカーが落ちる「落とし穴」である。
今回、この事故米を酒の原料にした酒メーカーが何社かあるが、その全ての酒メーカーがいい加減な酒メーカーとは言わないが、中には、以前「酒税法違反」で上げられ、その製品は、「製造中止」となった酒メーカーも入っている。その会社が「被害者」との主張をしているが、儲け至上主義=拝金主義による自業自得としか思えない。
残念ながら、中国のことが言えない昨今である。
日本人が持っていた倫理観は、どうなっているのか。企業の企業倫理はどうなっているのか。